「謎の自信あるよね」
過去を思い返せば、これはよく言われた言葉だ。
学生時代も、アパレル時代も、インテリアコーディネーター時代も——。
特別に頭が良いわけでもなく、運動神経もめちゃくちゃ悪い。
容姿が優れているわけでもなければ、スタイルがいいねと言われたこともない。
何かで目立つような結果を出せたわけでもないのに、なぜか言うことはいつも自信満々。
——
アパレル時代。入社してすぐのこと。
突然、接客コンテストに出るよう言われた。
内心では「えー、やだな……」なんて思いながらも、
上司には「できます！！」と、自信満々に答えていた。
自分でもそのギャップに笑ってしまうくらいなのに、
一度「できます！」と言ってしまった手前、帰宅後も休日も、接客の勉強を始めた。
早朝に店舗へ行き、出勤前の練習までした。
……なのに、結果は。
緊張しすぎて何もできなかった。
あんなに練習したのに、格好悪いことこの上ない。
付き合ってくれた上司や、応援してくれた同僚たちに申し訳ない気持ちもあったけれど、
「こんなに緊張するなんて、私って普通の地球人だったんだな」
と実感した出来事でもあった。
——
私の自信には根拠がない。
周囲が言うように、その自信はまさに【謎】だ。
他者から見れば、私はいつも自信満々な、勘違いナルシスト系なのかもしれない。
……と、ちょっと恥ずかしくなる。
でも、私はそんな自分を面白がっている。
時に、根拠のない期待をし、勘違いをし、間違いだらけの私。
だけど、ダサければダサいほど笑えてしまう。
「また盛大にホラ吹いちゃったな〜」って。笑
これはもはや自信ではなく、過信なのかもしれない。
——
占い歴は10年以上。
ときおり「当たった！！」という声をいただくことがある。
ひと昔前の私なら、その言葉が占い師としての“自信”になっていた。
もっと当てたい。喜んでもらいたい。
その想いで、さまざまな占術を学んできた。
でも、最近はこう思う。
——
極論、強い意識があれば、占いすらいらないんじゃないか？
——
私の占いが「当たる」とすれば、
それは私とお客さまの“思い込みの強さ”が影響しているかもしれない。
もちろん、私は占い師として、四柱推命や手相・人相、カードなどの根拠あるデータをもとにメッセージを届けている。
でも、占いの結果よりももっと大切なものがある。
それは【人の意識】だ。
——
今はもう、データベースでは人間はAIに勝てない時代。
医師を超える人工知能、精度の高い検索エンジン、文章・イラスト・動画生成まで。
たとえば2016年には、特殊な白血病をAIが2000万件の論文から10分で診断して命を救った例もある。
データだけで判断するなら、医師や占い師はいらなくなるのかもしれない。
でも、意識だけは、人にしかできない。
——
人は徹底的に思い込めば、ノンアルコールで酔えるし、
していない手術で病気を治すことすらできる。
たとえば1970年代に行われた思考実験。
ある学校で、大学教授が「このクラスにはとても頭の良い子が3人います」と言った。
先生たちは、その3人を特別扱いせずに、ただ“頭が良い”と信じて接していた。
結果、その子たちは本当に学力が伸びた。
実際はランダムに選ばれた平均的な子だったにもかかわらず、だ。
これは、「他者の思い込み」すら、その人の人生に影響を与えるという証明だ。
——
時々、占いで「自信を持ってくださいね」と伝えると、
「…そう言われても、自信なんてありません」と返されることがある。
私から見れば、才能も魅力もある方なのに。
そのギャップに驚かされる。
でも、まずは根拠のない自信でいい。
自信とは「自分を信じること」。
今まであなたでいられたこと自体が、すごいこと。
たしかに世の中では、自信＝実績や経験と思われがちだ。
でも、実績がなくても、「なんとなくうまくいく気がする」という意識は立派な武器だ。
胸を張って、大きな声を出して、まずは“自信があるふり”をしよう。
——
私はあなたを信じている。
それが私の占いの最終形態。
意識の力と、言葉の力。
自信の根拠は、あとから必ずついてくる。
——
日本では謙遜が美徳とされる文化があるけれど、
「うちの妻は素晴らしい」「うちの子どもは最高だ」と信じられる日常があったら、きっともっと明るい。
根拠なんていらない。
まずは自分を信じよう。
そして、大切な人を信じよう。
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