買ったものや、もらったものは、すぐに使いたいタイプのわたし。
昔、革のカードケースをもらった時のこと。
さっそく使おうとした私に、母が言いました。
「なんでもすぐ使うと、全部がボロになっちゃう。今使うのは勿体ないよ。」
“今”使いたい気持ちもあったけれど、
「そういうものなのか」と思い、箪笥の中へしまい込んだカードケース。
⸻
そして、時が経ち、
忘れたころに、ふと箪笥から出てきたそのカードケース。
「あ、私これ、使いたかったんだ！」と箱を開けると、
開けた瞬間、革がぽろぽろと剥がれ落ち、もう使うことはできなくなっていた。
使ってほしいと願って作った作り手。
“今”使いたいと思ったわたし。
その時点で、ちゃんと需要と供給は成立していたはず。
だけど、その“今”はいつまでも待ってはくれないみたい。
⸻
「勿体無いから」と気持ちをしまい込んで、
本当は動きたかった“今”を見送ってしまうこと。
あのとき手を伸ばしたかったもの、やってみたかったこと、
すぐに使いたかったお気に入り——
それらを後回しにして、結局使えずに終わることのほうが、
よっぽど“勿体無い”と思うのです。
あなたが「使いたい」「やってみたい」と思ったその気持ちは、
その瞬間が一番、輝いている。
自分の気持ちを後回しにしないで。
その“今”を、どうか大切にしてください。
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